軒下の箱

やっているネトゲとか、何か書いたものとかをつらつらと。 不定期更新で行く予定

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大変遅くなりましたが、刃魔の続編となります。

恐らく読み難い……でしょう。
なので今回は二つに分けています。

それでも多分読み難い……ウェルトの一日をぶつ切りに書いたせいでしょう。
次からは気をつけますorz


※注意事項

刃魔シリーズは一応私が著作権を持っていますので転載とかは勝手にしちゃだめですよ。……する人なんていないだろうけど。
この物語はフィクションです、どう見ても。
狩咲の妄想とか満載でもよければどうぞ。





食事も終わり、それぞれがそれぞれの仕事を開始するころ。
ウェルトはもう既に自身の職場へと移動していた。
ギルド、とも言われるそこは傭兵の斡旋所でもあり、ある種の便利屋でもあると認識されている。

「……早いな」

その扉を開けてからウェルトが初めて呟いた言葉がそれである。
中はカウンターと、15程あるテーブルとそのテーブルに見合った数の椅子。
屈強な男が笑い合うテーブル、若い男女のグループが真剣に話し合っているテーブル、男女二人が飲み物を飲みながら今出ている依頼を選んでいるテーブル、女性二人が何やら真剣な表情で今出ている依頼を選んでいるテーブル。
その中で飲み物を飲んでいる男女の方へと足を向けて……飲み物を口に含んだ少年の頭を少し強く押し込んだ。

「ぐふっ、げほっ、ごほっ……」
「よう、待たせたな。ルーヴェ、フィル」
「こんにちー」

そのせいでカップ毎テーブルへの衝突をしてしまった少年を気にすることなく、ウェルトとフィルと呼ばれた少女は朗らかにあいさつを交わす。
活発そうな青い瞳を柔和に細めて、悪戯っ子のように笑う少女は横目でその少年……ルーヴェの方を見ていたが、何もすることはなくただ笑っている。
ウェルトはそれを見てから、わざとらしく声をかける。

「ん、どうした親友。そんなにむせて」
「どうしたもなにもウェルトのせいでしょ!?」

涙目で抗議するルーヴェ。
透き通るようなさらさらした金髪が揺れ、はた目から見ればきりっとした美少年と評されるものなのであろうが、涙目で咽ている今、それは可愛い美少年というものに変わってしまっている。

「む、そうだったのか。悪りぃな?」
「……相変わらずひどくない?」

拗ねた様なルーヴェの言葉にウェルトは笑って全然、と答える。
それを見ているフィルは笑いながら、二人の肩に両手を置く。

「まぁまぁお二人さん。さっさと依頼受けてやっちゃいましょうよ」
「ふむ、それもそうだな。昼までに一回帰ってきたいところではあるしな」
「だね。で、今日はとりあえずタルルトの甲羅剥ぎと、サイクロプスの目玉5個拾いと、ドラゴンの鱗650枚……」
「待て、後の二つは何だ? タルルトはわかる、だがサイクロプスとドラゴンって20対1、100対1でやっと勝てる程度だろうが」

ちなみに、サイクロプスとは平均身長5mの一つ目巨人のことで、大木を引っこ抜いて投げ槍変わりにするなどといった芸当をこなす。
ドラゴンは翼を持つ蜥蜴の一種であり、平均全長10mという巨躯を持つ上に空を飛び、それぞれの属に応じた吐息を吐く。
その大きさ故に、致命傷というものを与えるのが難しく、さらに相手は一撃で人間を駆逐できる力を持つために討伐の難易度は最高峰とされている。
もちろん、三人程度でどうにかなるわけはない。

「受付の人が是非に、って」

ウェルトが受付の方に目を向けるとそこには笑っている青年。
一見して優男の彼だが、もっぱら冗談を好むのはここの常連のうちでも一部しか知られていない。
ウェルトの場合は、個人的な付き合いが多くそれを知る機会を得ていたのだが。

「……冗談だろう。タルルトで行くぞ、かの有名なドラゴンスレイヤーでもなけりゃ無理だろうしな、あんな化けもん倒すの」

溜息をついてから、ルーヴェにもそれでいいかと確認を取るウェルト。
ルーヴェが頷いたのを見て、その書類をカウンターにもって行く。
受理の処理が終わり、先に出ているであろう二人を追いかける。
外へ出て空を見上げるとそこは白一つない青。

「いい、天気だな」

前を歩いている二人に早足で近づきながら、ウェルトはそんなことを呟いた。






タルルトとは、亀を大きくした魔物だ。
その癖、弱点である頭は保護するように丈夫すぎる頭蓋に覆われているために剣がまともに通らない。
つまるところ重量のある鈍器でそこを狙わなくてはいけないのだが、そう簡単にはいかない。
タルルトの武器、それは弱点でもある頭を甲羅の中にしまった状態から放つ高速の頭突きだからである。

「ちっ……相変わらずものすげぇ威力だな」

タルルトの突進頭突きを避けつつ呟くウェルト。
その両腕には、鎖帷子で作られた手袋に白銀の鎧を取り付けた籠手が装着されている。
一瞬それに目を向けてから、先ほど自分がいた場所に視線を戻すと、タルルトが大木を頭突きでへし折っていた。
折れた木はそのまま音を響かせて地面に横たわる。
だが、その間タルルトの視界は狭まり、隙が作られる。

「ほら、こっちこっち!」

わざと大きな声を挙げてタルルトの側面へと走り込んで囮になるフィル。
そちらに気を引かれ、首をそちらの方へと精一杯伸ばしたタルルト。

「はっ!」

その隙にルーヴェが反対側から飛びかかる。
首を戻そうとしたタルルトだったが、伸びきった首が戻る前に銀剣が一閃する。
いくらタルルトが固い頭蓋を持つとはいえども、首に関して言えばそうでもない。
しかし、それでも剣の一振りで骨ごと斬ることは叶わずに刃は中ほどで止まる。

「切り落とせ!」

だからこそ、ここでルーヴェは追撃をかける。
その一言を詠唱に、剣の持つ『斬る』イメージを風に乗せて剣から放出。
さらに風をもう一つ操り、風で刃を押し込む。
結果、剣から放出された風は首の骨を斬り落とし、加速した刃は完全にタルルトの胴体と頭を分かち、地面を赤く染め上げる。
しばらくは痙攣していた巨体だが段々とそれも収まっていく。
それを見届けて、ウェルトとフィルはルーヴェの方へと歩を進める。

「相変わらず御見事。言語詠唱なのに良くもまぁそこまで速い発動ができるもんだ」
「慣れれば楽だよ? それに風属性は詠唱から発動までが速いからね。その分効果時間を延ばすのが難しいし、イメージを張りつけるためのモノがないと使いにくいって欠点あるけど」
「俺には無理だな。二重の意味で」
「ウェルトは普通の魔法使えないもんね? ま、才能が必要な古代魔法を扱える分いいと思うけど」

フィルが笑いながら言った言葉に対して、ウェルトは僅かに顔をしかめて嘆息する。

「使い勝手は滅茶苦茶悪いけどな。それに古代魔法って大層な名前でもできること大したことじゃねえしな……」

古代魔法、それは古の人間が使っていたとされる魔法。
その魔法に適性のある人間しか使えない上に、どの程度の才覚を持つかによって何もかもが左右される特性を持つ。
逆に普通の魔法と呼ばれている魔法は魔力を持つ人間であればだれでも使えるように改良された魔法だ。
正式名を汎用魔法と呼び、消費魔力分の魔力を保持していればだれでも簡単に扱える。
扱えるだけであってそれを戦闘に用いるのであればある程度の訓練は必要ではあるのだが。
こちらは各属性の親和度が影響するとはいえ、発動しないということはない。
一部の例外を除いては。

「汎用魔法の方が使い勝手良くて、各属性の親和が最悪ならともかく普通ならば全属性使えんだろ? そっちの方が文字通り汎用性があっていいとおもうがな」
「そうかな?」
「ああ。ま、とりあえずこいつをバラして帰ろうぜ。流石に腹が減る」

ウェルトは言ってから短剣を抜き、タルルトの解体に取り掛かる。
ルーヴェもまたナイフを取り出して解体にかかり、フィルは周囲を見張る役を買って出る。
其の三人の様子を、森の真上から太陽が照らしていた。





「……もう、午後の仕事はいいか、やらなくて」
「いきなり何を言うの?」

疲労で色づいた声とそれに疑問をぶつける声が食堂に響く。
あの後タルルトの甲羅を何とか持って帰り、ギルドに渡し報奨金を手に入れた三人。
今彼らは街の食堂で少々遅めの昼食を摂っていた。
ちなみに彼らが疲れているのはタルルトとの戦闘ではなく、タルルトの甲羅を持ちかえるという重労働のせいである。
見た目もでかければ重さもそれなりに、結局ギルドに運び入れた時の三人は息絶え絶えだった。

「いやな、軽く残りの仕事を見たんだが……碌なのがなくてな」

溜息をつきながらフィルの問いに答えるウェルト。
稼ぐことも大事ではあるが、労力に見合わない仕事はしたくないという信条で仕事を選んでいる為にこういうことが時折ある。
無理をすればどうにでもなるのではあるが、ウェルトにはこの後も孤児院の仕事がある。
自分のせいでこのような形になるのは申し訳ないと思っているのだが、そんなことを言えばルーヴェとフィルの二人に怒られるので口には出していない。

「ちなみにたった一つだけだ。スライムの捕獲」
「それは嫌だね。やれないことはないけど……」
「やるなら私はパース」
「だよね」

スライムとは液状の単細胞生命体で、何故か知能が高いという理に大きく外れた魔物。
温厚で無害なのも多いのだが、その仕事は決して楽ではない。
まず斬ろうがなにしようが効果がないため、魔法などで燃やすか凍らすかしないといけないのだが、そんな事をすれば捕獲ではなくなってしまう。
さらに、繊維質を溶かす性質をほとんどのスライムが持っている為に服が溶かされてしまう。
どこぞの金持ちなどは、それらを飼い、女を買って『遊んでいる』らしい。

「……しかも今回はアシッドスライム。服どころか下手すりゃ金属がやられちまうぞ?」
「僕もパス」
「だよな」

全員使っている武器が金属である上に、もし錆びたり修理する羽目になれば足が出てしまう可能性がある。
さらに、ルーヴェが持っている剣はオーダーメイド故に修理となった場合足が出るどころではなくなる。

「というわけで、久々に戦りあわねえ?」

そう言って笑い、拳をルーヴェに向けるウェルト。
ルーヴェもその拳に自分の拳をあてて。

「確かに、体を鈍らせておくよりは建設的だね」

と、笑う。
二人を見ているフィルは、ジュースを一口飲んでから。

「ずるいよねぇ……男の子って。簡単に意気投合しちゃって」

と、何やら様々なものが込められた溜息を吐いた。




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狩咲 佐倉

Author:狩咲 佐倉
ネトゲとかいろいろやってます。

このブログの更新頻度は確実に遅くなる、だろう。




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