軒下の箱

やっているネトゲとか、何か書いたものとかをつらつらと。 不定期更新で行く予定

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さて、無事(?)に第一章終了いたしました。
下手な伏線の張り方ばかりしていますが、ご容赦くださいますようお願いいたします。

とりあえず、この場であとがきめいたことをしてみます。

さて、刃と魔法の使い方、第一章『刃の在処』が終わりましたが、どうだったでしょうか。
戦闘解かり難いとか、情景描写が下手だとか……頑張ります。
第一章はこの物語の本当のプロローグって感じです。
とはいえ、刃魔自体長い物語ではないですけどね……。

さー、キャラ紹介をさらに更新しないといけなくなったなぁ。




というわけで、今回は第一章から一日後の出来事を書いた幕間、『怒りの在処』です。
ここでようやっと、軸となる物語に必要な人物が出てきます。



※注意:過激な表現がございます。ご注意ください。





刃と魔法の使い方 幕間「怒りの在処」




「全く。なんで俺が買い出しに……」
「しょうがないじゃないか。どう見ても荷物の量が多くなるんだから」
「……剣を扱ってるんだから力はあんだろうが」

町中をウェルトとルーヴェの二人が歩く。
ウェルトは皮のズボンに木綿の白いシャツ、その上に皮の上着を羽織っている。
対してルーヴェは、白い布のズボンに青を基調としたローブのような服を着ている。
はたから見ると、二人の格好は相対的であり、目立つ。
特にウェルトは、目つきが鋭く不機嫌そうな為見る人によってはチンピラのようにも見える。

「そうは言っても僕の本分は魔法使いだよ?」
「研究して論文書いている時点で魔道士だろうが、肩書きは」
「そんな肩書は貰った覚えは無いよ?」
「……まぁ、お前は確かにそうだよな」

ただし、会話の内容は他の人にとっては他愛もないものである。
その会話内容と、ルーヴェの存在により警備する騎士がかろうじて呼ばれていない。

「それにしてもいいね。僕とウェルトの二人だと気にせず話せるよ」
「だったらさっさと教えとけよ」
「君の方こそ」
「俺は明日に言う心算だ。……実際、俺の本名はアテリアとヴェルが知っているしな」
「アレを使ったって聞いてなんとなくは解かってたけどね。……決意、したのかい?」
「まあな。時間も無いことだし。どんな結果になるにしろ……」

ウェルトは言葉を止める。
視線が、道端を進む一台の白い豪奢な馬車。
それがある人物達を乗せたものだと解かると同時、彼は自分の血が沸騰したかのような錯覚を覚える。
自身の左手を胸に当て、自分を吸血鬼の体へと変える、さらに隠し持っていたナイフで自らの手首を切り裂いて出血。
即座に血の魔法を発動、噴き出す血を操って深紅のローブにして身に纏う。
手首傷が治った時、そこには全身を深紅に包み、赤いフードで顔を隠した一人の少年が立っていた。

「ちょっとま……」

ルーヴェの静止の声は彼に届かず。
彼はそのままその馬車へと駆け出す。
護衛が咄嗟に剣を構えるも、一人は剣ごと頭を蹴り上げられて昏倒。
もう一人は振った剣を避けられ、その横顔に裏拳を一発。
よろけたところを足払いされ転がった後、ウェルトに頭を蹴り上げられ気絶する。
赤い存在はそのまま止まることなく、馬車のドアを自分の手で砕き、中へと侵入。
ドレスを着た少女、鎧に身を包んだ少女、二人の少女をその目に収めると、ローブの一部を普通の血に戻してそれを指ですくい取り二人に投げつける。
結果として、少女のドレスと鎧は赤く染まる。
鎧に身を包んだ少女は、なんとか剣を抜こうとするがそこは室内。
さらに座っているという関係上満足に剣を抜くことなどできるはずもなく。
かといって出口はふさがれている為に逃げることも叶わず、その赤い少年を睨みつける。

「この方を誰だと思っているのです!?」

鎧に身を包んだ少女が恐怖を押し殺し、声を挙げ、ドレスの少女をかばうように腕を出す。
その言葉に返す声は口元さえローブに覆っている為にくぐもって馬車の中に響く。

「フリージア・シルファニア・ガルフィート。この国の国王の娘にして俺の……敵だ」
「国に盾突くおつもりですか?」
「いいや? お前は俺の顔に見覚えはないんだろうが、俺は知ってるぜ? ……腐れ騎士」
「!?」

繰り出された手。
咄嗟に身構えようとした鎧の少女はソレを目にする。

「咎人の刻印!?」

小さな紋章が掘られた銀のリング。
それは嵌めた人間に対して支配魔法を使えるようになるというものであり、その鎧の少女が使うものだった。
鎧の少女の使う古代魔法、支配の魔法の媒体であり、その紋章を込めたリングは少女以外に作れる人は居ない。

「それを持っていられるということは……!」

そこまで口走った瞬間、鎧の少女の体は凍りつく。
その隣にいるドレスの少女も、かたかたとその小さな身を震わせることしかできなかった。
別に物理的に動けなくなったわけではない。
体の奥底からただ純粋すぎる怒りと憎悪と……殺意よりももっとどろりとしたモノを感じ取っただけ。

「俺は忘れない。あの日を」

少年は怒気を、憎悪を、全く隠そうともせずに静かに、ただ静かに宣言をする。

「俺は憎み続ける、貴様らを」

鎧の少女を睨む赤。

「俺は復讐をする、貴様らに」

ドレスの少女を睨む赤。

「だから覚えておけ、決して貴様らは殺さない。だが……」

ここで一泊を置く。
それがただ言葉のテンポの為ではなく。
彼が怒りを抑え込むのに必要な間だということを鎧の少女は察していた。

「……義務に権利、尊厳に幸福、全てを奪って生かしてやる」

ぞっと、少女達に襲いかかるのは空気。
冷え切った、それでいて熱い炎に焼かれている感覚。
幻覚だとは分かっているが、凍傷、もしくは火傷を負いそうなほど。

「安心しろよ? 手前ら二人だけ、二人だけだ。それも命は奪わないってんだから優しいもんだろ? ちゃんと意志も持たしておいてやるよ? ……最も、その意思通りになるはずはないけどな」

楽しそうに、怒りを孕んだ声は馬車の中に響く。
二人の少女は空気に飲まれ何もできず。
赤の少年は狂気を振り撒く。

「ああ、そうだなぁ? とりあえず全部の爪を引き剥がすか。いやいや、生きたかまま皮を剥くというのも捨てがたい。肉体的苦痛を与えたら次は精神か……魔物と一緒の檻で一ヶ月過ごしてみるか? 手前らみたいな獣ならば魔物も同じ仲間だと思ってくれるだろ? あとはそうだな……手枷足枷付けられた状態で路地裏生活というのもいいかもな? ほら、王族ならば民の生活を知る義務があるだろう? ああ……手前等をどうするか考えるだけでこんなにも楽い気分になれるとは!」

感極まったような言葉の後、再び憎悪の炎を宿した言葉が二人を燃やす。

「肉体的に蹂躙されろ、精神的に蹂躙されろ、手前の人生蹂躙されろ、俺が望むのは……それだけだ」

そう言って、再び赤の少年はローブの一部を融かして二人の少女に血を浴びせる。
思わず目を覆った二人を残し、彼女等の目が開く前に赤の少年は馬車から逃げ出した。




--------------



路地裏。
壁に手をついてウェルトは息を整える。

「……ははっ、様ぁ、ねえな」
「ウェルト……」

その後ろからゆっくりと近寄る白い影。
彼は、俯きながら、言葉を零す。

「ごめん」
「謝るな。全部、俺の意地のせいだからな。男なら、意地は最後まで貫き通せと言われたからじゃない。そう言われて、俺がその生き方を選び取ったからこんな風になってんだ」
「……ウェルト」
「それにこっちこそ悪いな。……どうにも、抑えられなかった」
「しょうがないよ。君が今一番憎いであろう相手だし、なにより……」

ルーヴェは路地裏から見える狭い空に目を向ける。
その空が繋げているであろう何処かに想いを馳せ、一つ息を漏らす。

「この場所に居る限り、君のそれは強まることはあっても消えることは無いのだから」
「まあ、な」

ウェルトもまた壁に寄り掛かるとルーヴェに習って狭い空を見上げる。
決して手は届きはしない、青空を。





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狩咲 佐倉

Author:狩咲 佐倉
ネトゲとかいろいろやってます。

このブログの更新頻度は確実に遅くなる、だろう。




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